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はぁ…
自然とため息が漏れた。
私の為のドレス
私の為の客人
私の為の舞踏会
私はバルコニーに寄りかかり、夜風に身を委ねていた。
『…シンデレラ』
懐かしい声が一瞬で誰だか思い出させた。
「…アンソニー来てたんだ。」
『あぁ。
…シンデレラ。もっとよく顔を見せてくれ。
何も言わずに僕の前からいなくなってすごく心配したんだよ。
王子様と結婚したって聞いた時には、本当に驚いた。
今日は君が本当にこのお城にいるのか、確かめたくて。
結婚したなんて…嘘だって言ってくれよ。』
「…嘘じゃないわ。
私はあの毎日が耐えられなかった。
今すぐに幸せになりたかっただけよ。」
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