スコーン(仏英)

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    広々とした廊下に、カツカツと規則正しく響く足音。   心なしか速く聞こえるそれは、音の主の心情を表しているかのようだ。     (…あんの変態髭ワイン野郎…!!)     音の主、アーサーの顔は赤く染まり、何故か怒りに震えていた。     遡ること30分ほど前のこと。   アーサーは日課であるティータイムのため、付け合わせのスコーンを作っていた。   今日はもう一人来る予定だ。付け合わせくらい用意した方がいいだろう。     紅茶をいれるのは上手いアーサーだが、料理に関してはランクでいう下の下。   これに味音痴がプラスされ、その影響は弟分であるアルフレッドにまで及んでいる。    
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