序章

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少年は、迷わずに魔色紙を握った。 しかし、その紙に変化は全くと言って良い程無く、ただ握った時に残る皺だけが残った。 「な、何だと!?魔色紙に変化無し…ッ!これは、なんとも…。」 医者からは驚愕の表情が再び現れる。魔色紙に色が付かないなど魔歴始まって以来、聞いた事もなければ、もちろん見た事も無い。 そんな前代未聞の事態を引き起こした少年は頭にクエスチョンマークを浮かべ困惑の表情だった。 「ご、ごほん!えーとだな、き、君のー魔色についてだけどねっ、これもーご両親と一緒にいる時で良いかな?」 医者はまだ引きずっているのか、大変落ち着きがない。 そんな医者の言葉に、少年は、はぁ…と恐縮した態度で答えるのみだった。
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