序章

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――そう。少年の魔色は『無』。まさに何も無い透明を現す。 魔法は、魔力を水と例えるならば魔色は絵の具。水を色の付いた絵の具と掻き混ぜることで鮮やかな色水、つまり魔法を生み出すのだ。 その絵の具が無いのでは、水は水のまま、つまりは魔法が使えないのだ。 「…ご両親は、…彼をこのまま魔法学校に籍を置きますか?」 非常に辛辣な言い方ではあるが、それは校長の優しさであった。 敢えて厳しい言葉を選び、茨の道から少年を救うためのただ一つの手段だった。 「私達は…この子の決断に任せたいと思います。」 アイコンタクトで、互いに会話した両親は子に任せるという判断を取った。
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