第五章

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「蓮ちゃんが驚くのも、無理ないよね。」 今のイメージが流派の基礎、たったそれだけのイメージが流派の基盤となるなど、誰が信じられようか。 言うなれば、水泳の選手が速く泳ぐ為に、魚をイメージすれば速く泳げる、と言っている様なもの。 「瑞浪流刀闘術……長いから流派で言い換えるけど、この流派の基礎、さっきのイメージが本当に全て。『総てを受け流すは水が如く、総てを穿つは滝の如し。』がこの流派のモットーね。」 「………。」 理解に苦しむ蓮。簡潔にモットーを表すなら『水で総てを体現させる。』というもの。果たしてそれが可能なのか、というのが今の蓮の理解に苦しむ所だ。 「確かに、総てを体現するのは難しいよ?けど、これをやるかやらないかじゃ、圧倒的に違うって見せてあげるからしっかり見ててね?」 そう言って水菜は木刀を持ち、何故か武道場にある丸太に近付いた。
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