389人が本棚に入れています
本棚に追加
――一閃。
近付いたや否や、抜刀術よろしく振り抜いたその木刀は、けたたましい音を響かせ丸太へと打ち込まれていた。
「今のが、ただ単に…力任せに打ち込んだ一閃。」
木刀を、抜き身の刀の様に再度、納刀する。
そして―――。
「これが、瑞浪流刀闘術の基礎を体現した、打ち込み。」
―――一閃。
先程と同じく、抜刀術よろしく振られた木刀。
けたたましい音は響かず、水菜の手にある木刀は完全に振り切られた。
刀を下ろすとほぼ同時に丸太は、見事横に真っ二つに切断された。
「―――。」
これ程までに驚いた事が嘗てあっただろうか、など考える。木刀が、丸太を真っ二つ。この世の理をひっくり返してみせた一閃に驚愕した。
最初のコメントを投稿しよう!