序章

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入学式を終え、晴れてピッカピッカの魔法学校一年生になれた、この少年。 朱い髪を揺らし、まだあどけない顔を期待と不安の入り交じった表情にした少年は、今か今かと自分の順番を心待ちにしていた。 ―――そう、今は一年生の潜在魔力量検査の時間。 潜在魔力量計測というのは体重計のような物に乗り、自身の潜在魔力量をその体重計の指針により測るというもの。 潜在魔力量計測は魔術、商、職の各学校に関係無く行われる一種の通過儀礼だ。 初めて知る自分の潜在魔力量というものは一年生にとって、大変重要な事なのだ。 それによって、自身への魔法の道の適性を調べ、将来を見通す判断材料となる。 潜在魔力量は、魔力の扱いを知らない魔法初心者が現在持っている魔力量の事。 扱いを知らない魔法初心者の魔力量は誰が見ても感知する事が出来ない為にこの作業は当人だけでなく、その親も楽しみにしている。 それ故少年以外の少年少女達もそわそわと何処か落ち着きがない。
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