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―――賢者。
それは魔法の世界で、絶対的な力を持つ魔法使い達の頂点にして、憧れ。
その知識たるや、それはそれは凄いもので一騎当千を体現した存在。
魔力量も然りであって、大人の魔法使い十人を集めたとしてもまだ勝るだろう。
そんな賢者と同等の魔力を有する目の前の少年に、医者は驚きを隠せなかった。
先程までの少年少女達で魔力量の多い物でも大人一人分が最高であったが、この少年はそれを遥かに超えてしまっている。
「あのぉ…。」
驚愕し思案に更ける医者を現実に呼び戻すべく、少年は恐る恐る声を掛ける。
「はっ!あ、ごめんね。えっと…君の魔力量だけどね。後日、ご両親と一緒の時におしらせするけど、良いかな?」
少年は、ただ訳の分からないまま頷くしか無かった。
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