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《照り付けるように降り注ぐ夏の暑い太陽に照らされて僕は僅かに顔を上げた。
うつぶせで道路に横たわっている僕のほっぺたにはアスファルトの感触が広がり額からは汗がしたたり落ちている。
額の汗を拭うとベトッとした感触がひろがる…
手の平を見ると赤いモノがベットリとついていてそれが何かはすぐに分かった…
(…どうして…!?もしかして…!?)
上げた視線を自分の身体の方に向けるとアスファルトを隠すように真っ赤な液体が自分の身体から広がっていくのが分かる…
(どうして…!?もしかして僕は刺されたの…!?)
薄れゆく意識の中で人の気配に気がついた僕は下げていた視線をもう一度上げてみる
そこには刃の先からポタポタと血を滴らせた包丁を手に持って僕を見下ろしている男の姿が見えた。
(僕を刺したのはコイツなのか…でもなんで…)
狂気じみた視線で見下ろすその男の顔を見ながら段々と意識が遠のいていくのが分かった…》
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