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最初のHRでは、クラスの係や委員の選抜があった。
「じゃあ次、生徒会の書記に立候補する者」
担任のその声に、一人だけ手をあげた奴がいた。
レイだ。
「佐柳か。立候補だから決定。もう一人は?」
多数決かな、と担任が呟いた時、俺は思わず手をあげていた。
「松岡?お前、こんなのやるタイプだっけ?」
隣の席の武内が、意外そうな声を出す。
こいつとは一年の時から同じクラス。
「二年になったし、イメチェンしてみようかと」
我ながら苦しい言い訳だな。
だけど武内は「へぇ」と言って納得してくれた。
武内が馬鹿な子で良かった。
「じゃあ松岡も決定。二人揃ったから、次は放送委員決めるぞー」
俺は、内心ドキドキしていた。
これで、あいつと話が出来るかもしれない。
俺の言葉を真に受けた武内は、放送委員に立候補した。
一週間で嫌になったらしいけどね。
重い機材を運ぶのとか。
で、クラスでの選抜が済んでから
生徒集会でまた多数決。
ま、俺は全学年の女子から圧倒的な支持を集めてるから
なんなく選ばれた。
レイもなんだかんだで選ばれてた。
ほっとした。っていうのは内緒ね。
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