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その日は、一日中不機嫌だった。
授業を受けていても
昼休みでも
放課後でも
家に帰ってからも。
途中、やたら絡んできた武内のことはしっかりとぶっ飛ばしておいた。
俺が不機嫌な時に絡んだ奴が悪い。
家に帰ると、瑞希が洗面所から髪を濡らしたままで顔をのぞかせた。
「おかえり大和。お兄ちゃんのお願い聞いてくれない?」
「あ?」
「寝坊しちゃって夕飯作って無いんだよねー。食費置いとくから、買い出しと料理…よろしく☆」
そう言うと、洗面所の扉をピシャリと閉めて
ガーっとドライヤーをかけ始めた。
反論は聞かねぇぞっていう無言の主張か…。
まぁ、いつも家事とかやってくれてるわけだし
反論する気も無いんだけど…。
俺は、私服に着替えるとテーブルにおいてあった食費を財布に入れて買い物に出かけた。
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