95人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
「レイちゃんかな」
瑞希が席を立って玄関を開ける。
「おはようございます」
レイが挨拶するのが聞こえた。
毎週水曜日は、委員会があるから早めに登校する。
俺がその委員会に遅刻しないようにとレイは毎週水曜日、俺を迎えに来る。
「やぁ、レイちゃんおはよう」
とびきり爽やかな笑顔を浮かべた睦月が、いつの間にか玄関でレイに挨拶している。
あの野郎…
レイは真っ赤な顔でうつむいた。
そして小さな声で
「おはようございます」
と呟いた。
「大和ー!!女の子待たせちゃ駄目だろー。早く来なさい」
瑞希が玄関から俺を呼ぶ。
俺はふてくされながらカバンを持って玄関に向かった。
ヒラヒラと手を振りながらパンを頬張る姉二人に、手を振り返しながら。
最初のコメントを投稿しよう!