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「なんで!!なんで!?どーして睦月さんは、あんっなにカッコイイの!?」
知るか。
俺と同じ顔だろ。
でも、レイの中では俺と睦月はイコールにはならないらしい。
なっても嫌だけど。
「そんなにイイかぁ?腹の中は真っ黒だぞ睦月は」
「うるさい。私の中でのイメージを壊さないで!!」
おいおい、さっき超しおらしく「おはようございます」なんて言ってたのは誰だ。
俺は内心、またふてくされた。
「忘れもしないわ。入学式の直後で慣れない学校の中…。間違って高等部の校舎に迷い込んだ私に、優しく道案内をしてくれた睦月さん…」
「またその話か」
「黙って聞いてなさい。」
レイが俺の左肩を殴る。
「そして送り届けた後に、この世の物とは思えないくらいに爽やかな笑顔で『中学生活、目一杯楽しむんだよ』って言って頭を撫でてくれたの!!」
あぁ、そーですか。
嫉妬心が疼く。
やっぱり嫌いだ。睦月なんか。
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