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それからというもの、私の部屋を決めるのを二人が手伝い始める。
そうだ。家が決まったらそこに住めばいいだけなんだ。
葉山んちにいかなければいいんだ。うんうん。
私がそう思って意欲的にワンルームマンションを探していると、葉山がとんでもないことを言い出す。
「いっそのこと、3人で住むためのマンション借りればいいんじゃね?オレんちも、いつ親戻ってくるかわからないし」
ないっ。ダメっ。
「いいかもな。藤崎は友人とルームシェアをしているということで」
待てっ。なぜ親に嘘を…って、友人だね、確かに。
私は葉山と神崎を見て思い、どうすればこの二人の考え方が変わってくれるのか悩む。
そんなに誰かと暮らしたいなら、男同士で暮らせばいいじゃないかと思う。
私はいらないでしょ?
なんで私もそこにいれちゃうの?
私、葉山と神崎の彼女でもなんでもないんだけど?
ただちょっと仲良くしすぎていて、ちょっと体の関係があって、でもそれは夏から後には神崎のキスくらいしかないし…。
私、だから女なんですけどっ?
襲うよっ?
葉山も神崎も好きだからっ。
なんて…、私に襲われても平気な顔してそうなんだよね、この二人。
脅しにもなりゃしない。
神崎の受験が終わる頃には、私の家は決まっていた。
神崎が家を出て一人暮しをすると家の人に言ったところ、買い与えられたそのマンションの一室が私の家である。
……………泣くよ?
だって、どんなに言っても二人の計画とめられなかったんだもんっ。
一人で探して入居しようとした部屋、勝手に解約されちゃったんだもんっ。
有り得ないよ、この二人っ。
私をどれだけ縛りつければ気が済むんだっ?
もう高校卒業なんだよ?
なのに、なんでこの二人と一緒なのっ?
なんで代わり映えしないのっ?
私の青春、あんたたちと一緒じゃ、ないようなものになっちゃうじゃないかぁっ!!
だって………、好きだから。
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