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この道を流れた
その先にあるものはどのような形でどのような色合いでどの位の重さなのか
〔きっと知らなくていいのかもしれない〕
僕の僕への問いかけはいつもそこで終わる。
真実から逃れるように、答えが出ないで
いつも曖昧なままだ。
―――
街中を歩いているとどこからともなく低くうごめくような奇怪な音がした。
ぞくぞくと何者かが這うような…そんな不気味な感覚が
記者、戸馬路 将の背を襲う。
「あんた、変なモノを引き受けてきたね…クツクツ」
耳にねとりと残るような粘着質な声。
バッと振り返り声の主を探したが、この人ごみの中、“その主”を特定する事は例えたのならばアクションゲームで言うところの“HARDモード”に値するだろう。
ただ、
気がかりなのはあんな不気味な声に誰1人として気がついたそぶりを見せない事だ。
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