終幕

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∮∮∮ ラテリア帝国歴史書記述 ――――――第35代ラテリア帝国国王ジオラルド・イルヴィディア。 金の髪と双眸、そして長身と鍛え上げられた肉体を持ち、帝国国王の中でも名君と名高い。 強靭な精神力を持ち、最古の精霊である業火の主と契約を結び、もう一体上位の火の精霊の2体の精霊と契約を交わした史上初の人物。 強大な力を持っているにも関わらず平和を好み、他国と同盟を結び、長くアウクレイヴに争いをもたらすことをさせなかった。 力による支配ではなく、つねに民のことを考えた政策によって長きに渡ってラテリア帝国の安泰を築く。 側室を持たず、正妃ただ1人を愛し続けた一途な君主としても有名である。 その王妃は銀の髪、銀と琥珀の瞳を持ち、王妃に敵う者は今までもこれからも存在しないだろうと語られるほどの美貌の持ち主だったそうだが、帝国の民だけでなく他国の民までもを魅了したと言う。 それは容姿だけでなく、その心の美しさ。 王妃は帝国で始めて政治に口を出した妃だそうだが、広い知識を持ち思慮深かった王妃の提案した政策はどれも民のことを考えた政策であった。 また、城から抜け出しては帝都や他の都市、他国にまで足を伸ばして民と友好を深めていた。 それにより各地に王妃の話が残り、大人から子供へと語り継がれている。 そして"神の愛びと"と呼ばれ、自然に愛されたファルス族の生き残りでもあった王妃は、どのような人間でも動物でも、精霊でも癒す歌声と銀色の翼を持っており、その翼で飛ぶ姿が絵画として残っているものもある。
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