第2楽章 偽りの罪人は死を望む

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「ここにあの脱獄犯たちがいるのか?」 崩れた家がいくつもある村の入り口に立つ軍服の男は後ろの兵士たちに尋ねた。 男の肩には深緑色をした1m以上ありそうな蛇がいる。 「はっ!最後にやつらが見つかったところから周辺をくまなく探し、残り調べていないのはこの村だけです」 男はニヤリ、と笑った。 その視線の先は肩の蛇。 「ふ、ならばさっさと見つけるか。新しい力も試したいしな。いくぞ」 男を先頭に兵士たちは村へと入って行き、村の中心部までズカズカと入った。 兵士の1人が戸惑いと怯えの表情でうかがってくる村人たちを見まわしながら叫んだ。 「おい、この村に男と女と娘の3人組がきただろう!大人しくだせ!」 しかし村人たちは顔を見合せながら口々に知らないよな、やそんなの来たか?などと言う。 「嘘をつくな!ここにいるのは分かっているのだ!」 兵士たちが一斉に武器を村人たちに向ける。
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