8522人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほぉ、軍の内部を知っているのか。・・・・我らとお前で取引しないか」
「取引?」
「その娘を渡せばお前を見逃してやる。どうだ?」
突然のことにアディンだけでなくルカも麻都も息を呑んだ。
そこまでして麻都を彼らは捕まえたいのだ。
「どうしてそこまでしてこいつを捕らえたい」
「さぁな。俺はただ命令されたことをしているだけだ。お前にも悪い条件ではないだろう」
私が捕まればアディンさんもルカさんも助かる・・・
ぐらぐらと麻都の瞳は揺れる。
しかし麻都を守るようにアディンとルカは麻都の前へ立ち男と対峙した。
「こいつは渡さねぇよ」
男を睨むアディンの瞳はギラギラしている。
だが交渉が決裂したというのに男の笑みは変わらない。
「ならば力ずくだな。ぜひ新しい力を試したかったところだ・・・・」
笑った男は肩に乗る蛇を見て命令した。
「あの娘を捕らえろ」
最初のコメントを投稿しよう!