第2楽章 偽りの罪人は死を望む

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蛇は男を一瞥すると目を閉じる。 次の瞬間にはまたも傍の木から枝だけでなく根なども伸びてきて麻都たちへ襲いかかってきた。 それをルカが凍らして動きを止めていく。 しかし数が多すぎ、凍らしきれなかったものが麻都の腕やアディンの足を捕らえる。 「ちっルカ!武器出せ!」 『はい!』 襲ってくる枝を片手で凍らせながらルカはもう片方の手を横に滑らせる。 するとその手の中には1本のつららが現れた。 それをアディンへと投げ、アディンも片手でそれを受取る。 アディンがそれを上から下へと無造作に振ると周りに水を散らしながら刀身が現れ、1本のつららが両刃の剣へと姿を変えた。 その剣でアディンは自分と麻都に巻きつく枝たちを断ち切る。 すべて切ってしまうと剣先を男に向けた。
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