第2楽章 偽りの罪人は死を望む

45/48
8522人が本棚に入れています
本棚に追加
/433ページ
「よし、ひびが入ってきたな。さっさと壊せ」 そう軍服の男が言うとさらに木の枝や根の攻撃が激しくなる。 どんどんひびが広がりあと何度かの攻撃で砕けそうになった矢先、氷の壁の内側から強い光が発せられた。 「何・・・!?」 光が一帯を包み兵士たちの視力が奪われる。 そして光が弱まり始めた時、光の中から勢いよく飛び出した影が一直線に軍服の男に近づく。 男はその影がアディンだと気づくがもうすぐ傍まできており、大きく剣を振りかぶって切りかかろうとしていた。 「くそっ・・・!」 斜め上から振り落とされた剣を男は横へ倒れるようにしてなんとか逃れた。 しかし勢いがありすぎ、肩に乗っていた蛇は振り落とされて宙を飛んでいってしまった。 それをすでにアディンの後に飛び出していたルカが蛇が地面に叩きつけられる前に胸でしっかりと受け止めた。 そしてすぐにその顔を覗きこみ、口端で赤く光るものを見つける。
/433ページ

最初のコメントを投稿しよう!