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子供達から離れた麻都はいくつもたっている天幕の中でもひと際大きな天幕の中に入った。
中では性別年齢関係なく老若男女が忙しく動き回っている。
長さも幅もある大きな舞台のような物を作っている者、大小違う箱を運んでいる者などさまざまだ。
「お、オト起きたか」
中に入ってきた麻都に話しかけてきたふとめの低い声に反応した麻都はその声のした方を向く。
そこには横にも縦にも大きな恰幅の良い男がいた。
麻都の父親と言っても納得できるくらいの年に見える。
麻都は簡素な作りの薄い麻で出来たようなズボンのポケットに手を入れ、何枚か紙が束になったメモ帳のような物と麻都の親指の長さほどの鉛筆を取り出し、その紙に鉛筆でゆっくりと書き出した。
―――――寝坊してすみません。私は何をすればいいですか?
紙には日本語とも漢字とも、ましてや英語にも見えない文字でそう書かれていた。
「寝坊したことは気にせんでいいが・・・あーじゃあ馬を見てきてくれ。餌はやったがこうバタバタしてたんじゃあ興奮してるかもしれんからな」
頭を掻きながら言う男に麻都は1つ頷くと軽く頭を下げて天幕を出て行った。
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