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麻都がアディン達と別れ森を彷徨っていると、そのうち森が途切れて大きな町に出た。
石で出来た塀の中には人も家もたくさんあり、石が敷き詰められた通りには出店が並んでいて町の中央にはひと際大きな屋敷があった。
大きな城門から見える町の初めてみる賑やかな様子に麻都は立ちすくんでしまった。
こんな所に自分が入っていっていいのか。
しかしいたぞ!という鋭い声に聞き慣れた足音などが聞こえてきて反射的に麻都は門を潜り人混みの中へと入ってしまった。
しばらく身を隠すように夢中に人の間をすり抜けていたがいつの間にか人の波も家も消え、町の一番端にきていたのか最初に通った門よりは小さい城門にたどり着いており、外の景色が見えた。
目の前には草原が広がっており、いくつもの天幕がある。
その向こうには多く茂る森林、草原の側には畑などが広がり、緩やかに林から流れる川は町の中へと続いて川には水車がとりつけてある。
麻都は石によって今までよりもよく響いて聞こえる兵士達の足音に怯え、外にでて天幕の間を通り隠れる所を探した。
すると全身を隠すような丈の長い上着が何かに引っ張られる感触。
どこかに引っかけたのかと思った麻都が振り返れば、引っ張っていたのは馬の口だった。
茶色よりは濃い藍色に近いような毛色をしたその馬は、きょとんとする麻都の服を銜えたままぐいぐいと引っ張って歩き出した。
麻都はこけないよう慌てて足を動かして馬について行く。
するとついた場所はいくつもあった天幕の一番裏で、何頭もの馬が草を食べていた。
麻都を引っ張る馬と違って茶色い毛色をしており、麻都に気づくと皆が視線をよこしてきた。
毛色の違う馬は一番裏にあった天幕まで麻都を連れていくと口を離し、頭で天幕の裏から麻都を中へと押し込んでいく。
突然のことに麻都は抵抗する暇もなく入ってしまった。
そしてすぐに聞き覚えのある兵士達の特徴ある足音が聞こえてきた。
もしかして私を助けてくれた・・・?
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