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「おいっいたか!?」
「いや。一体どこに隠れたんだ・・・」
すぐ傍で男達の声がする。
ここで見つかるわけにはいかないので、麻都は少しも声が漏れないよう両手で口をふさいでじっと兵士達が立ち去るのを待つ。
「もしかしてここではなくまた町の中に戻ったか?」
「もう一度戻るぞ!」
足音が遠のいていく。
行ったのかな?
麻都は去ったのを確認しようと天幕からそろそろと顔を出した。
すると目の前には藍のような色の毛がびっしり。
視線を上にあげてみてそれが馬のお腹だと分かった。
天幕の外から麻都を守るように馬は座っていた。
麻都は天幕から出て馬に感謝の気持ちをこめてゆっくりとたてがみを撫でた。
馬は嬉しそうに毛色と同じ藍色の目を細めて撫でられていたが、さっと顔をあらぬ方向に向けた。
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