8522人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前誰?なんでこんなとこに・・・しかも団長と手まで繋いで!」
団長と呼ばれる男の後ろにいる麻都に気づいた少年は麻都を強く睨んだ。
「あーこいつは・・・拾った」
「はぁ!?また!?」
また、ということはこの男はよく人間を拾うらしい。
大声をあげて睨む少年、それに首をすくめて怯える麻都。
そんな2人を見て男は深く溜息を吐いて頭を掻く。
「スタルフ、そうすぐに怒んなっていってんだろ。
こいつについての話は全員の前でするから大天幕に集めてくれ」
「っ・・・分かりました」
もう一度強く麻都を睨みつけて少年は走っていった。
「じゃあ俺らも行くか」
身を強張らせていた麻都の頭に男が手を伸ばす。
しかしそれに気付いた麻都が大きく身を震わせたことでその手は宙を漂い、力なく下に落ちる。
「・・・・ちゃんと後ついてこいよ」
そう言って背を向けて歩いて行く男。
男の態度にさっきのは失礼だったのかもしれない、と思いながらもかける声がない麻都は男の後を見失わないようついて行った。
最初のコメントを投稿しよう!