第3楽章 因果の鍵の名は

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「あら、何を見ているんだい?」 天幕の影で立っている男・・・ロギアは背後からかけられた声に驚いて振り返り、誰か分かると溜息を吐いた。 「なんだお前かよ・・・」 立っていたのはふくよかな体つきをした女性で、丸い輪郭をした顔は愛嬌があった。 「自分の妻に対して失礼な人だね。それで何を熱心に見てたんだい?」 ロギアの妻であるマノリアはロギアの大きな体から後ろを覗きこんだ。 「オトじゃないか。あの子は本当動物に好かれる子だねぇ」 馬と仲良く座っている麻都の後ろ姿を見てマノリアは柔らかい笑みを浮かべる。 「ああ・・・。あんな健気で純粋な心を持ってるのを動物もわかってんだろ」
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