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「―――――こうしてジオラルド陛下はふたたびこの地に平和と安穏を取り戻してくださったのだ!」
男性の団員の高らかな声が響き、わっと大勢の人間の歓声と拍手。
舞台の裏で忙しく働いていた麻都は今日の公演が無事に終わったことに安堵のため息を吐いた。
「お疲れ~」
「はぁ、疲れたわー」
団員達が観客のいなくなった大天幕の舞台の上で伸びをしたりとくつろいでいる。
そんな団員達に麻都はタオルを差し出していく。
「おっ、麻都ありがとな~」
「ほら、こっちにおいで」
若い女性の団員に手招きされた。
その隣に麻都が大人しく座る。
「せっかくの帝都なのに行かなくて良かったの?」
頷く麻都にまぁ麻都が良いならいいんだけどね、とこぼす女性団員。
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