第3楽章 因果の鍵の名は

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ホールディア劇団が公演を始めたここは帝都・ソルディオン。 この世界――――アウクレイヴに存在する国で最も土地が広大で気候も穏やかなラテリア帝国。 この土地を狙う他国は後を絶たないがこの何十年も王家が変わったことがないのだからそれだけ軍事力も優れているということだ。 それを示すようにソルディオンを囲う城壁は高い。 麻都はこの一か月様々な町や都市を見てきたが比べ物にならないほどだと思う。 そして内部は建物が所狭しと並んでおり、空いている場所は小さな広場しかないのでホールディア劇団は城壁の外に天幕を張っているのだ。 ここからだと都市全体が守る様に中心の小高い丘の上に建つ王族が住むというセルス城が見える。 その姿は麻都が教科書や本で見た中世ヨーロッパに建てられた城によく似ており、この目で見ることができたことが信じられない。 「スタルフもイリも宣伝忘れて遊んでるんじゃないのか?」 「あの子達帝都は初めてだものね。でも少しでも早く帰ってきてくれるかしら」
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