第3楽章 因果の鍵の名は

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スタルフは麻都がロギアと会った時に共に出会った少年だ。 実は麻都を認めた最初の団員はスタルフだった。 始めは麻都の姿を見つけるたびに睨んでいたが今では一番麻都と仲が良かったり。 イリはスタルフと同じ年の少年で2人はこの劇団に一緒に拾われたらしく、まるで兄弟のように仲が良かった。 「なんでそんなに早く帰ってきてほしいんだ?」 男性の団員と同じ意見の麻都は首を傾げて女性団員を見た。 「だって危ないじゃない。さっきの公演で平和と安穏を、とか言ってたけどあまり前と変わってないもの! 剣を下げた兵士がどこの都市でもうろうろしてるし、税も全然下がってないわ。 荒れた村や町に対しても何も対策とってもない。 今の国王もただ権力が欲しかっただけじゃない」 ザッと麻都の顔の血の気が下がる。 兵士のことはもしかしたら自分のことではないか、と。
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