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急に、今まで黙って望美の話を聞いていた陸が顔を上げた。
目も鼻も赤くなって、頬には流れた涙の後。
きっと、泣いてしまってるあたしの為に我慢してくれてるんだね。
「話してくれてありがとうな。
俺の事を思て、辛い事やのに頑張って話してくれたんやな。
うん、わかった。
望美の子供は俺の子供も同然や。
それに、もしこの先俺らが子宝に恵まれんかったとしても、二人でおれたらそれでええやん。
出来たら出来たで二人で大切に育てればいいんやし。
そりゃ俺かって子供好きやし、ほしいけどな、そんな事で別れる程、俺らの愛は薄っぺらいもんじゃないと思うで。」
そう言い、陸は望美を抱きしめた。
望美はいきなり抱きしめられた事に驚き、そしてまた泣いた。
すごく嬉しかったから。
なんでこの人はいつもあたしのほしい言葉をくれるんだろう。
この人に、陸に会えて良かった。
陸が隣にいてくれれば、あたしの世界はこれからも素晴らしい。
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