坊主頭の盗塁

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僕は朝ご飯を食べるとすぐに学校へ行かなければならない。 家から高校までの距離が長かったため、いつも学校へは母さんに車で送ってもらっている。 僕は学校の玄関に着いた。 靴を脱ぎ変え、階段を上り、教室に入ると後ろからいきなりブレザーの襟を掴まれた。 『おい。休み時間、パン、買いに行くぞ』 と、そこには[吉野]がいた。 吉野とは同じ野球部ということもあり、学校生活でもすぐに仲良くなっていた。 野球部なのに色白で、口数は少なく、僕や慣れた人が相手ならばお構いなしに何かを仕掛けてきます。 しかし、それ以外の人には想像できないくらい優しい人物だった。 『く、苦しい…行くから離してぐだざいぃ…』 手を離す吉野。 『ごめん。謝ったからいいやろ?』 『……そだね』
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