坊主頭の盗塁

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1限目の休み時間が始まった。 吉野と約束したパンを買う時間は2限目の休み時間。 と、そこへ吉野がやってきた。 『今日どうする。先?後?』 『う~ん…』 さて、これはなんの会話かと言うと、パンを買う時間を決めているのだ。 もうどこの高校にも生息しているだろう[先輩の悪グループ]との接触を避けるための大切な選択肢。 "先"を選べばたくさんの人数の中、どさくさに紛れてパンを買うことができる。 "後"を選ぶと休み時間終わり1分前にダッシュで買いに行くという戦法で、先輩と遭遇する確率が非常に低い。 比較的僕らはほぼ"後"を選んでいる。 『う~ん、そうだな。今日も後にしよっか』 『分かった』 この"パンを買う"ということは僕らにとって毎日の学校生活の重大なポイントだった。 そして―…
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