タイトル未定

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タイトル未定

『 神を殺せ 』 君は そんな事を云う 本気で云っているのが可笑しくて 君が云う度 ありったけの優しい声で諭す 殺せないよ。 だって神なんて何処にもいない。殺す相手は この世には存在しない。 云うと君は泣くんだ 悲しい顔で泣くんだ どうしてかな 僕は 君に安心してほしいのに どうして 君は泣くんだ 優しい声で云っても 語気を荒げても 同じ顔で 泣く 君は 僕より神を求める 僕は君以外 いらないのに 君が 神を求め続ける限り 僕は 君のその悲しい涙を 味わい続ける それは何とも代え難い 甘い甘い蜜 それは 僕を生かす .
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