金剛山

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アクセルをふかし1速にギアを入れた。 クラッチをいつもより気持ち勢いよく上げながら、半クラ部分でアクセルを踏み出す。 ガツンと車体が揺れ発進。 タイヤが地面を掴んだ感覚をお尻と背中で感じ、一気に底までアクセルを踏み込む。 ハンドルの奥のメーター。 右側にあるエンジン回転数を表すメーターを見る。 針は勢いよく振れ、7000回転の所まで到達。 同時にクラッチを蹴り、2速に勢いよくギアをぶち込む。 ぶち込むと同時にクラッチを踏み込んだ足を戻して前を見た。 緩く左へと曲がり始める。 中央線を無視したセリカは緩く左へ切れ始めるポイントで道路左に寄る。 曲がり終わる頃には反対車線に半分車体をはみだしながら、アクセルを踏み続ける。 回転数をさすメーターの針は6500~7000の針間を小刻みに揺れながら行き来していた。 左コーナーを立ち上がって間もなく再度左に切れていくコーナー。 セリカはまた左に寄りつつ、今度は曲がり追えても中央線ははみ出さない。 すぐに右に90度のコーナー。 コーナーに設置されていたカーブミラーを一瞬見た後、カーブ手前でコンコンとブレーキを踏み、速度を調整した後右にギュッとセリカが動く。 反対車線を完全に走りながらコーナーに突っ込んだセリカは、立ち上がりは真逆の進行車線、とりわけ左に設置されたガードレールに寄りながら立ち上がる。 エンジン回転数が4000以下まで瞬間的に落ちたセリカにユウキは心の中で舌打ちした。 (くっそぉ、かったるい…) 頭に一瞬不満を抱きながらユウキはアクセルを底まで踏んでいた。 1秒後グッと後ろに引っ張られるような感覚を感じながら100m程ある直線真ん中でユウキはギアを3速に入れた。
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