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慣れてきていた。
取り締まりは毎月毎月日を追うごとに厳しくなってきていた。
取り締まりというものの、基本的には“散らし”に来るだけだった。
警察が来ると一斉に逃げる“常連組”と呼ばれるいつも金剛にいる走り屋達は、まず捕まらないぐらいのスピードで逃げる。
中央線や法定速度など全く関係ない。
パトカーと言えど曲がりくねった山道を逃げる走り屋に追いつけないし、無理な取り締まりで事故になれば警察の責任も問われる。
走り屋達もバカではないため、警察が来たら一旦退散し、ある程度時間がたってはまた現れるといった具合だった。
警察も最後までは追いかけて来ないし、追いかけてこれない。
夜間進入禁止区間から脱すると取り締まりしないというルールがあるようだった。
進入禁止は現行犯逮捕以外はできないのをいいことに常連の走り屋達はあまり取り締まりに対して危機感を持ってはいなかった。
しかし普段はいたちごっこの取り締まりだったが今回は違った。
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