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「おらー!お前ら逃げんな!全員逮捕じゃ!」
(ん?えらい今日のおっさんは気合い入っとんなぁ。)
ユウキは感じた。
次の瞬間停車したパトカーの助手席から1人出てきて、走る車に近寄る。
しかし逃げる車が止まることはなく、すぐ警察官はパトカーに戻った。
「先行ってー。ケツもつわー。」
ユウキは代車のギャランの窓を開け、隣りにいた顔見知りの走り屋に話しかけた。
全部の車両が山道を下りはじめユウキがラスト1台となり、動きだそうとした時と同時に、パトカーは動き出した。
「こら、待たんかー!」
ユウキは窓を開けっ放しにしていたため、後ろからついてくるパトカーからの放送がよく聞こえていた。
バックミラーと目視でユウキは5m後方に迫るパトカーの動きを観察しながら、前方に列をなして逃げている走り屋達のあとを追った。
「おい!前のセダン!ナンバーわれてんぞ!逃げても無駄じゃー!とまれー!」
(元気なこったなぁ。でもいつもとちゃうなぁ。)
ユウキは少しスピードを落とし、前方の走り屋から離れた。
直線に入ったあたりでパトカーに動きが。
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