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携帯の電波が入るところまで下りてきて、連絡をとる。
ほど近い道の駅に全員いるとのことで、ユウキも合流するために向かった。
道の駅には金剛山にいた約半分の台数の車が集まっていた。
タオルでタイヤを拭いている人間が目立つ。
ユウキもタオルを借りてタイヤを拭きながら話していた。
「あらら、ぶつけた?」
「なんなん?あのオイル!誰がやってん。」
「確かに俺もビビッたわぁ。いってまうか思ったもん。でもポリはうまいことよけとったわぁ。」
「警察がやったんちゃうん!」
「そらないやろー。上から来たしー。」
「走ってる時なかってん。ホンマ一瞬であんなんなってた。」
「なんか今日は知らん車もおったし、環状みたいなんおったしなぁ。犯人不明やなぁ。」
「ムカつくわぁ。」
「タオルありがとー。まあまあケガせんでよかったわぁ。」
「まぁこんくらいやったら直さんでもいいかも。」
ユウキはビビ君らと話をして落ち着いてきた。
早く代車じゃなく自分の愛車で走りたい気持ちを抑えるのに必死だった。
ちょうど金剛山が賑わいをみせてきていた時期だった。
警察も走り屋が増えるのと時を同じくして取り締まりを強化していた。
まだ『金剛山に行けば誰かいる』という時期の話である。
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