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2001年夏。世の中の若者にはVIPブームが到来していた。
ワンボックス系やセダン系にくどいぐらいのエアロと呼ばれる外装パーツを身にまとった車が流行していた。
意外にミーハーなユウキは完全に流行りに流されていて、人気の高かったオデッセイやエスティマをただなんとなく気にいっていた。
ただ予算は100万と言うハードルがユウキの欲しい車ではどうしてもクリアできなかった。
「もう100万以下でええ車探した方が早いんちゃう?」
「確かにそうやわ。」
「100万とかでかっこいいなぁとか思うやつないの?」
「あるにはある。これとかこれ。」
中古車情報誌を指差しながらユウキはイバラキに見せた。
「カマロて!ん?セリカも好きなん?」
「スポーツカーみたいなんも好きなん?」
「いや、なんとなくかっこいいなぁ。」
「なんとなくかいな。で、全然オデとかエスティマと路線ちゃうやん。」
「かっこええやん。外見から入る派やからなぁ。」
ユウキは夏以降定期的に中古車情報誌を買う。
見ては悩んでを繰り返し秋になった。
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