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息を吸って
吐いて
『もしもし?』
アイリの初めて聞いた声を
僕はかき消すように喋りだした
『マジ聞いてくれよぉ~!!俺本当に今困ってるっていうか
悩んでるんだよぉ~
〇〆ヾ\“~』
所々言葉にならないような
話を淡々と喋っていく僕
そんな受話器越しにいるアイリは
すごく笑ってたっけな…
うん…笑ってた
『あはははっ♪そうなんだぁ~それでそれで?』
悩み相談だった話が
どんどん笑い話になっていってた
『だってさぁ~俺がそんな事するわけないじゃん!アイリ分かるだろ?俺がそんな男じゃない事をさぁ?』
アイリと…
何故か自然に名前を呼んでた
初めて話したのに
アイリとはもう何度も話した事があるかのように
自然に話していた
『そんなの知らないしぃ~♪ウケるっ♪』
どんなに自分が淡々と喋っていても
アイリの笑い声だけは
今でも耳に残ってる
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