特訓と黒髪の少女

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夜の静けさが満ちる部屋で、一人紅茶を飲みながら仕事の資料に目を通していく。 「……ん?」 魔力の波紋が広がる感覚の後、突然窓が開き、突風と共に一通の手紙が舞い込んでくる。 しかし、その風のせいでぐちゃぐちゃに積み重なっていた紙や本が床に散らばってしまった。 「うわぁ……勘弁してよ、もう」 口では愚痴を言いながらも、低級精霊を使役して、散らかった部屋を掃除させ始める。 自分はベッドに避難して、その手紙の封を開け、目を通し始める。 差出名を見ると、旧友からのものであった。 変わらない表情で目を通していくと、やがてため息をついてその手紙を下ろした。 また面倒なことになりそうだ。
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