特訓と黒髪の少女

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「どうしたのかしらね、フリーデルカったら…」 「結構よくあることだよ。前も仕事だっていって一ヶ月くらい戻らなかったこともあるし」 翌日の昼休み、二人はレンに自分の教室まで来るようにと言われていた。 廊下を歩きながら、ローズはまったく、と心配そうに呟く。 キャロルも口ではよくあること、と言いながらも、その心中は穏やかではなかった。 今朝方師匠に呼び出され、普段と変わらないように見えた彼女は、何やら意味深な言葉を残していったのだ。 『私はしばらく留守にするけど、この家のことはお願いするよ。何かあっても、ここだけは結界で安全だから。ローズのこと、ちゃんと守ってあげるんだよ?』 そう言うと、自分が作った朝食も食べずに出て行ってしまったのだ、あの師匠は。 師匠の言葉を思い出していると、突然ローズが違う話題を振ってきた。
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