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サークル勧誘に何抹もの不安を感じるキャロルは、そっと彼女の方を盗み見る。
すると、偶然にかキャロルの方を向いていたクロエと目があってしまい、ニコ、と微笑みかけられた。
あれ、意外といい人なのかも…と思った瞬間、レンが立ち上がって異様な集団のもとへと足を運ぶ。
まずレンに気づいたのは、その取り巻きであった。
「……なんだよお前、用でもあんのか?」
「残念ながらあるんだよ、お前達のお姫様にな」
殺気立った雰囲気に、クラス中がしん、と水を打ったように静まり返る。
レンとクロエが見詰め合ったまま、一瞬にも永遠にも感じられる時間が過ぎる。
「……何の御用かしら、フランブーズさん?」
ローズは一見丁寧に聞こえる言葉の中に、棘があるのを聞き逃さなかった。
女の勘とでもいうのか、あいつ絶対性格悪いわね、と心の中で呟く。
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