特訓と黒髪の少女

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黙ったままその様子を見守っていた取り巻きも、流石に慌ててレンを止めようとする。 一体複数ではレンが不利過ぎる、とローズが応戦しようとしたところ、レンは慌てもせず、静かに詠唱を唱えた。 「――ソリッド・パーティション」 得意とする土の属性魔法の一つを発動させると、不意を点かれた男たちはレンとクロエの周りにできた土の障壁に吹き飛ばされる。 隙を突いて走り出したレンは、暴れるクロエを抱えたまま教室の外へと飛び出した。 「え…ええ!?」 「レン!無茶しすぎですよぉ」 あうー、と半泣きになりながらユフィがそのあとを追う。 この教室の惨状を言い訳するのはいつも彼女の役目なのだ。 我に返ったキャロルとローズも、慌ててそのあとを追って教室から飛び出した。
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