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その提案に喜んだのはユフィだった。
両手を合わせて、嬉しそうに顔を綻ばせる。
「わぁ、それいいですね!キャロルも魔法以外の特技を身に付けたら、実践でも役に立ちますし」
「ちょ、ちょっと、あんたたちキャロルの意見は無視なわけ!?」
それを止めたのは、事情を知らないローズだった。
慌ててレンに抗議するが、当事者はあっけらかんとした様子で返す。
「キャロルはもう俺と剣術の練習してるぜ?なんだ、聞いてなかったのか」
あちゃー、とキャロルがそのやり取りにがっくり頭を垂れる。
練習をしている格好悪いところは、できればローズに見せたくなかったし、ちゃんと剣を扱えるようになるまで黙っていたかったのだ。
「…本当なの、キャロル?」
「うん、本当だよ……。黙っててごめんね、ローズ」
「そうなんだ……」
ふぅん、と言って納得したのかしなかったのか、ローズはそのまま黙り込んでしまった。
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