ウィチルの森

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そして一週間後の放課後、四人はいつも通りサークル部屋にいた。 いつもと違うところをあげるとすれば、持ち込んだ家具を全て隅に撤去し、その中央にチョークで魔方陣が描かれているところだ。 複雑な紋様のそれはユフィが描いたもので、空間移転の魔法だ。 空間の精霊は風の眷属なので、彼女が得意とする魔法の一つでもある。 「さすがに、四人同時に転移させるとなると、おおがかりになってしまいました」 最後の文字をチョークで書き終えると、ユフィは額の汗をぬぐった。 お見事お見事、とレンが拍手をしてみせる。 「これでウィチルの森まで行けるの?」 床をまじまじと見下ろしながら、ローズがユフィに尋ねる。
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