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嫌なバイト
校内には終業を告げるベルが響き渡る。
『ねぇ、今日皆でカラオケでも行かない?』
隣の席の関塚綾香が荷物をまとめながら言う。
『あ、ごめん。俺今日バイト…』
『えー、またあの迷路みたいなとこでバイト?気味悪いよー!』
『仕方ないだろ、金が要るんだから。』
俺のバイトは週3で入っている。
それが、時給は750円と普通なんだが、立地条件が悪すぎる。
『だってあそこ、幽霊が出るんでしょ!?』
『そんなの出ないって…』
幽霊、魔物、ヤクザetc...
あそこの噂は七不思議程度では収まらない。
『じゃあ、また今度ね…』
実際内部で働けば、出回っている噂は信憑性を失う。
だが、高校生が俺を気味悪がるには、下らない噂話だけで十分なのだろう。
俺は1つため息を吐き出すと、タラタラとそこを目指す。
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