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ある日、卵がきれいに半分に割れ、朝日に輝く殻を啄む純白の鳥が現れました。
真っ白な鳥は大空に向かって羽ばたいてゆきます。
何日も何日も鳥は飛び続け、天にも届く高い山を飛び越えて、一面が色とりどりの花に覆われた、虹の架かる谷にやってきました。
全力を出しきった鳥は息も絶え絶えに、自分の体ほどもある虹色の花の花弁に頭を垂れました。
すると、七色に輝くたくさんの蝶がひらひらと舞い上がり、芳しい香りの立ちこめる花々の間を行き来し始めました。
せせらぎの美しい川の岸にその一羽が舞い降りまるでその姿を映すかのように近づきます。
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