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その瞬間、蝶はあっという間に水しぶきを上げ、きらきら輝く鱗を持ったしなやかな紅い魚になりました。
魚は滑らかに尾っぽをしならせ、ぐんぐんと上流に向かって泳ぎ始めました。
流れが変化に、濃い緑色の水をたたえた池にたどり着きました。
魚は大きく体をひねり、水面の上に躍り出ました。
ルビーのような魚は一瞬の内に深紅の薔薇の花弁となり、柔らかい微風に吹かれて空を舞いました。
花弁は悪戯な風に身を任せ、ゆっくりと吹かれてゆきます。
ひらひらと落ちた花弁は地面に吸い込まれるように消えて、そこから小さな芽がぐんぐんと伸びてゆきます。
小さな緑の芽は瞬く間に風にそよぐ一本の若木になりました。
やがて、若木は大木となり、小さな実がなり、それはゆっくりゆっくりと大きく熟し、長い長い年月を経て一抱えにもなる立派な実になりました。
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