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(頼む…無事で居てくれ……)
昭太は今まで死んでいった仲間が頭に浮かんだ。
すると自然にスピードが上がった。
「………居たっ!!!」
逃げているのは2人の女性だった。
昭太はさらにスピードを上げ、襲いかかろうとしてるゾンビに切りかかった。
「離れてろ!!
あとこれで近づいて来たゾンビを撃て。」
昭太は銃(スミス&ウェッソン)を渡した。
「…わかりました。」
昭太には片方の女性が何か具合が悪いように見えた。
昭太はそんなことよりゾンビを優先し、さっきの疲れがあったため、多少時間を取ったが健全な片方の女性が援護をしてくれたから意外と早く終わった。
「…っしゃあ!!
もう戦えなねー!!」
昭太はかなりの勢いで近くにあったベンチに座った。
「あの……名前は?」
さっき助けた2人の女の人が名前を聞きに来た。
「んあ……?
ああ…!
昭太って言います。」
「昭太さんありがとうございます。
おかげで助かりました。
私は沙織って言います。
こっちは香住。」
「沙織さんですね。
わかりました。
ん??
ちょっと待て!!!
友達噛まれてるじゃねぇか!!」
「ええ……。
だから病院に行こうと……。」
「病院へ行っても意味ありませんよ……
噛まれたらあいつらの仲間になるのも時間の問題なんです…。
それに病院は今地獄と化している。」
「えっ!?
そんな……。
じゃあどうすれば!?」
沙織は昭太の肩を両手で掴み揺らす。
だが昭太は全然動じない。
「……治す方法は今だわかりません。」
「なんで方法知らないのよ?!」
沙織はさらに肩を揺らす。
「もういいよ沙織……。
昭太さん……
私が人間でいる間に殺して下さい。」
「香住!?
何言ってるの!?」
昭太は黙って刀を抜く。
「私は沙織を襲いかかって殺しちゃうんじゃないかって怖いの!!」
昭太は香住の前に立つ。
「昭太さん……
ありがとう……。」
「ちょっと!!!
あんた何を…」
沙織は昭太を止めるが昭太は振りほどいた。
「沙織さん……
あなたは香住さんの意志を考えてます?
普通死ぬのは怖いはずだ……。
でも香住さんはあなたが生きることを選択した。」
沙織を黙り、ベンチに座り両手で顔を隠した。
「行きます…。」
昭太は刀を構え振り下ろした。
「沙織……生き残るんだよ。」
『ザンっ!!!』
昭太の太刀が香住の首を切り裂いて香住の首が近くの草原に転がった。
香住の命は消えたのだ。
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