孤立

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昭太と沙織は文化会館の止めてある車の前に来た。 「くそっ!! 瓦礫の欠片が当たってある車全部動かねえ!!!」 昭太は車を蹴った。 「痛っ…」 昭太は蹴った足を押さえる。 「本当にバカね…」 沙織は呆れて周りのゾンビ、女子の死体を見渡す。 女子の死体はゾンビに喰われ、いたるとこがない。 (でもこれ全部倒したんだから人間技じゃないわね……。) 沙織が周りを見渡しているとエンジン音が聞こえた。 そしてそのエンジン音の正体がバイクということに気づいた。 バイクには中年の男性が乗っていて、こちらに向かって来た。 「昭太!? おまっ!! 生きてたのか!?」 バイクに乗った見た目は若い中年男性が膝を抱えている昭太の近くに止めて、昭太に向かい走って来た。 「やす兄!? やす兄こそ生きてたの!?」 「ああ…なんとかな……。 美里は死んじまったがな…。」 美里とは泰斗の嫁だ。 「美里さんが…。」 「まぁ昭太が生きてて良かったよ。」 「あっ… 沙織さん、こちらは母さんの親戚の泰斗兄ちゃん。」 「どうも…。」 沙織は軽くお辞儀をした。 「ったくお前は刀なんて持って何やってんだよ…。 しかも女連れで。」 泰斗は昭太の腰にかかってる刀を見る。 「泰斗兄ちゃんこそ武器持たずによく生きてたね。」 昭太は呆れて鼻で笑った。 「ばか…。 俺にはキックボクシングがあんだよ!!」 泰斗は蹴りを昭太の顔の横で止める。 「はいはい…。」 昭太は泰斗の足をどけた。 「うおっ!! 危ねっ…。」 泰斗はバランスを崩したがバランスを取り直した。 「まぁ再会を喜ぶべきだな。」 「ああ!!」 昭太と泰斗は手を取り合いお互いを見て、笑いあった。 またしてもゾンビが近いて来る。
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