23人が本棚に入れています
本棚に追加
心とは裏腹に気持ちはドキドキしていた。
友達できるかなぁ?友達できるといいなぁ
そんな事を考えていると「よっ!」と後ろから声をかけられた。立ち止まって俺は「んっ?」と振り返ってみた。すると、そこには小学生……いや……幼稚園の頃からの友人である[及川隆=オイカワ タカシ]が、そこに居た。
「どうした翼?元気ないな?」
「う、うん」
「どうした?」
「別に」
「不安なのか?」
「うん」
「[イジメられたら、どうしよう]そんな事を考えていたのか?」
「うん」
「[イジメられたら、どうしよう]そんな事を考えない方がいいと思うよ」
「何で?」
「確かに[今すぐに忘れる]それは無理かもしれない。けど……」
「[けど……]何?」
「けど[イジメられてしまった]それは既に終わってしまった事だから終わってしまった事を、いつまでも、いつまでも考えるのは良くないと思うよ」
「そうかなぁ?」
「そうさ!なぁ翼?」
「んっ?何?」
「見てみろよ」
そう言うと隆は空を指差しながら呟いた。
「俺達が見ている空って、こんなにも広く、そして俺達が見ている空って、こんなにも高く青いじゃん」
「うん」
「空みたいに、なりたいとは思わないかい?」
「空みたいに?」
「あぁ」
「どうやって?」
「自分の気持ちを、今、俺達が見上げている空のようにすればいいのさ。広く高く、そして青く」
「[見上げている空のように広く高く、そして青く]するの?」
「あぁ」
「空みたいになろうぜ!」
「う、うん」
「希望を持って生きようぜ!」
「うん」
「夢を持って生きようぜ!」
「うん!希望とか夢って、いい言葉だね」
「うん」
すると、どこか遠くの方で鳴り響くチャイムの音が待ち合わせ場所に行く途中にあるウィンドゥを覗き込んで立ち止まる人のように俺達の耳元に立ち寄った。
「ヤベェーよ!入学式そうそうに遅刻なんてしたら!!翼!走るぞ!!」
「あっ!待ってくれよ!俺の事を置いていかないでくれよぉ!」→SINCE4
最初のコメントを投稿しよう!